雑音しか聞こえない状態です。
がりがり雑音をさらに不規則にした感じの音が小さく出ます。
分解した処です。
ここまでは簡単ですが・・。
この機種に関しては回路図もありません。
昭和39年ころに作られたもののようですが、この当時回路図は公開されていないのかも。
基板のパターン面から順次回路図を作成してゆきました。
部品が密集しているので、上下の照合が大変です。
低周波部分に不具合があることが判ったので、順次調べてゆくと 初段のTRが不良らしいというところまでは判明しました。
ダイアル面の下側が 不具合らしい場所です。
うかつにダイアル糸を外すと元に戻すのは困難ですので、慎重にダイアルパネルやダイアル糸を外します。
白丸の部分が該当部分です、非常に嫌らしい場所です。
部品面から見た不具合個所です。
白い矢印の部分が不具合が有りそうです。
外してみると TRの不良でした。
実は汚れが酷くて肉眼では文字が読めません。
ソニーのこの当時のラジオの低周波部分は2SD65か64が使われているので、
同じだろうと思っていたのですが、拡大してみると2SD66と書いてあります。
当時 歩留まりが悪く 増幅率の低いTRが出来た時のための型番ではと思える品でした。
後段の石の名前も読めません。
しかしこれまで2SD66など回路図で見た記憶は有りません。
部品を捜す。
ゲルマトランジスターの手持ちは有るのですが、2SAか2SBタイプで 2SDタイプは殆どありません。
最後の手段で 製造時期がほぼ同じソニーの製品から抜き取ることを考えました。
2SD65や64が使われているのはソニーのTFM−110かマイクロTVの5−303です。
TFM−110Fは沢山あるのですが、TFM−110は見つかりませんので、マイクロTVを壊すことにしました。
半田黄体は不良になりやすいので、ほとんどの場合(99%)は新品を使います。
しかし如何しても入手できない場合の対策です。
組み込み失敗
2SD66が使われていることが判ったので、秋葉原で探してみましたが、残念ながら見つかりません。
やむなく 上記のソニーの5インチTVに使われている2SD64を抜き出して移植してみました。
結論的にはゲインが高すぎて動作が安定しません。
2SD66:増幅率が25
2SD65::増幅率が50
2SD64:増幅率が100
これらは特性は同じだが 増幅率で分類されていて 2SD64は増幅率が高すぎるようでした。
この機種は低周波部分が4石で構成されていて 普通の3石より多いので 特に増幅率の低いTRが使われているようだ。
その為 ベースとコレクターをケミコンで接続しても十分大きな音で動作します。
下記画像参照。
しかし これでは中途半端なのでTRを組み込むことにしました。
キャンタイプのNPNのシリコンTRを組み込んでました。
ベース抵抗は変更せず そのままですが、丁度良い程度に増幅するので 最終的にはこれで行くことにしました。
老眼が進んできたので この修理には苦労しました。
余裕のない狭い場所でのトランジスター挿入は大変でしたし、最も困難だったのはダイアルの糸かけの復元でした。
残念ですが、ここまで小さいと 年寄りには無理ですね。
IFTの調整をし、目盛りを合わせ トラッキング調整をして終了です。
動作例
2013年3月18日
2013年3月19日
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