自作 スーパーの修理
シャーシ内部
正直 この配置を見た時 驚きました。
半田付けも綺麗だし 配線の始末も見事です。
相当アンプを組んだ経験者では無いかと想像します、配線など自分より格段と見事です。
ただスーパーと言うか 高周波的配慮が全く無いのです、ここまでのものは珍しいでしょう。
台湾製や中国製のコイルやIFTを使ってスーパーを組み立てる時 このような配置は致命的です。
日本製の部品の場合 新品でも組み立てた時の配線まで考慮して調整してあるのが普通ですが、
中国製は組み立てた後 調整する前提で作られているようです。
それらの部品を調整したくてもできない仕組みで組み立てるのは 動かないラジオを一所懸命組み立てるのと同じです。
電源を調べてみると 何故か320V端子が使われている、B電圧が高すぎたのか80の出側は1KΩ 5Wの抵抗が接続され、
その先に47μFのコンデンサーに接続されている。
このようにすると電圧は下がるが 猛烈に抵抗に電流が流れるのでは発熱するのです。
(脈流が流れるので 発熱が酷いのです)
250V端子に接続替えして 抵抗も40Ω(120Ω 1W 3本パラ)に変えました。
直結でも良かったのですが、整流管80と47μFの組み合わせだと尖頭電流が心配なので この値としました。
無闇にB電圧を高くするのは感心しません。
無駄な電力を 不安定な状態でラジオに供給することは全く無意味です。
なおヒーター配線に高価なVRを使いハムバランサー的使用法がされていますが、このラジオの場合無駄でしょう。
ヒーターの片側はアースした方が無難です。
逆に ハムを嫌うのであれば このように配線をあちこち引き回すことと趣旨で矛盾します。
電源部の改造は下記画像のようにしました。
ケミコンは47μFなので 80用としては心持ち大きいので 120Ωの抵抗3本をパラに接続して入れてあります。
余った1KΩ 5Wの抵抗は 次の平滑回路の抵抗にパラに組み込みました。
前に入れた有った抵抗2KΩと合わせ 合成値は670Ωくらいになるでしょう。
シールドされたアンテナコイル
何故かアンテナコイルはシールドケースに入れられている。
取り外したところ。
1次側と 2次側が間違えて配線してあった。
巻き数の少ないほうが同調(2次)側です。
注意深く調べてみると 内部にコアがありました、ただしあまり効き目が無いので もしかしたら別のコイルのコアを入れたのかも。
(コアは使う周波数によりインダクタンスの増え方が違う)
インダクタンスを調べるとコアを動かして 最高でも320μHしか無い、バリコンの最大容量を測定してみると220PFで、
インダクタンスが 不足する。
これではバリコン最大でも600KHzくらいにしか同調しない。
バリコンとコイルは組みで購入したそうですが 対策を考え無いと。
発振コイル
厳密には調べていないが バリコン最大容量で ラジオでモニターすると 約1000KHzを発振しているので大丈夫そう。
IFTの組み込み方
IFTがこのように組み込まれていると 下側のコアが調整できない。
電線を延長したり 部品を移設して なんとか下側のコアも455Kzに調整した。
ただ延長したので 正規の方向に戻した時 厳密に調整できているかは不明。
コイルのQは結構高そうで それが逆に調整がずれると減衰につながるので心配。
IFTを横にしたり 縦にしたりして 下側のコアを調整。
ところが
検波段のIFT(上記画像の右側のもの)は下側kらの調整に全く反応しません。
壊してある可能性もあるので 取り外してみました。
画像は 分解したところです。
ところがDIPメーターで調べても反応が有るのです、ただ周波数が相当違います。
いろいろ苦労して確認してみると 下側のインダクタンスがいやに少ないらしいと判りました。
どうも下側のコアを無茶苦茶に回しすぎていたらしいと見当を付けました。
普通のIFTだと ネジの高さで 無茶苦茶にいじってもおおよその見当はつくのですが、
今回はコアが見えませんので 解りませんでした。
明日にも再度組み込んで確かめてみます。
なんとかアンテナを
アンテナコイルのインダクタンスが最大でも330μHしかありません。
これではバリコンが入りきった位置で600KHzにしかなりません。
これではどうしようもないので120μHのインダクターを直列に接続してカバーしました。
感度は猛烈に悪いです、アンテナから40dBの信号を入れて やっと受信できる程度です。
高1と同じくらいかも知れません。
IFTの配置の関係で最高感度にできない(発振する 調整が完全にできない)ことと、
アンテナ回路とバリコン 発振コイルの相性が悪いことが大きな原因と思われます。
高周波回路を無理やり 配置優先で それも中国製部品で組み立てた結果かも知れません。
感度向上への改造
あまりに感度が低いので 改造することにしました。
前面パネルに 新たな穴は開けたくないので どのような部品を組み込むか考えました。
最終的には 下記のような仕組みとしました。
実は下記のバリコンがあるので使おうとしたのですが 親子バリコンで容量が大きい方が340PFだったのですが
これに既存のコイルを組み合わせて 1度組み立てたのですが やはり感度が良くありませんでした。
どうも原因はOSCの問題と睨みました。
コイルを新たに作るより 既存品ということに変更しました。
最終的に完成した 東芝の514のコイルとバリコンを使った 改造。
あまりに感度が悪いということで コイルとバリコンを交換することにしました。
手持ちの東芝の5球スーパーのジャンクからコイルやバリコンを抜き取りました。
特にバリコンはあまりよい状態ではありませんが 組み込むスペースや調整用のトリマの位置の関係で選択しました。
前面に大きな穴が開いているので 意外と組み込むのに苦労しました。
シールド板も加工しないと バリコンが組み込まませんでしたが、なんとか画像のように無事組み込めました。
前面のパネルに新たな取り付け穴も開けたくなかったので この点も苦労しました。
この状態で SSGで試験すると 20dBの入力で 満足に音が確認できます。
多分30dB程度(30倍くらい)回復したと思われます。
なお 中国製のコイルで感度が極端に悪かったのは
@発振コイルの仕様が怪しい
発振はするが 想像以上に発振が強いと思われる、もともと6WC5用には向かない仕様かもしれない。
例えば電池管用など。
Aアンテナコイルとバリコンがトラッキングが取れない
2016年4月29日
2016年4月30日:159
2016年5月1日:212
2016年5月5日:331
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真空管ラジオ