ナショナル Hi Fi 真空管ラジオ EA-685の修理体験記





キャビネットから引き出したところです。
PLの配線は 相変わらずボロボロです(切断してあります)。
ダイアルの糸も切れています。

さらに調べてみると出力トランスも導通がありません、断線です。

ブロックケミコンも確認しましたが リークが酷く使えません。

ここまでは予想した範囲です。



この時代のナショナルラジオは配線がボロボロで危険です。



シャーシの裏側です。
ここで念のためB巻線(B電圧用)を確認して見ると 抵抗値が違います。
整流管を抜いて 電圧を調べてみると 249Vと208Vです。
普通は同じでなければいけません、レヤ−ショートを起こしているようです。
10分くらい通電しているとトランスが暖かくなり なんとなく匂いがしてきました。
レヤ−ショートに間違いないようです。 このような故障はめったに起きません、でも事前に電圧を調べておいて良かったです。

電源トランスが これだと 代わりを見つけなければいけません。
修理は可能ですが 費用がかかるので悩ましいです。



上側の端子で測定




下側の端子で測定 240V端子ですから 無負荷時249Vの方が正常で こちら側の巻線がレヤ−ショートしています。
このようなトランスの修理は巻き直ししか方法はありません。
なお本当の無負荷の場合 もう片方の巻線電圧はもう少し高い可能性があります(例えば260Vなど)、
と言うのはレヤ−ショートで その部分がトランスの負荷になっているからです。




バリコンの様子

凄い埃です 使えると良いのですが。



トランスを外して 東栄のトランスを組み込もうとしたのですが、
取り付け穴の数と位置 が違うのです、更に四角い穴の寸法が少し足りません。
鉄のシャーシの加工が必要になりました。
結局2時間半くらいかけてやっと組み込みました。





シャーシの加工


シャーシの穴は下図のようでしたが、寸法的にトランスが組み込めないのです。
取り付け穴も4個ですから 新たに加工が必要でした。
鉄のシャーシの加工は大変です。



なお出力トランスも断線しています。
7KΩ:1.6Ωのトランスなので 東栄の12KΩ:4Ωの出力トランス(1,000円強)を使うことにしました。
巻線比はこれでほぼ同じなので 大丈夫です。
ただ取付寸法が多少 違うので 取り付け穴は新たに追加する必要があります。



なお東栄の電源トランス(5,000円弱)で電圧 電流も規格上大丈夫ですが 半波整流なので 整流管6X4の配線を変更する必要があります。
また規格上250Vと表示されているので 回路図上の200Ωの抵抗に更に200Ωを追加して 合計400Ωとして B電圧を揃えました。
ただ完成後 電圧を測定してみると トランスの電圧は実際はAC230Vで 整流後の電圧はDC240Vでした。
目論見が外れたのですが 安全性を考慮して そのままとしました。

調整

VCの取り付けゴムが腐っている、ダイアルの糸が切れている 等 あちこち補修が必要でした。
当然ですが 配線材のビニール線はボロボロなので交換しました。

通電すると 雑音が酷いのです、まずVRを分解して 清掃しました。
このVRは中点タップ付きの特殊なもので代わりが入手できません、交換した方が楽なのですが なんとか分解清掃しました。

これでも 雑音が収まりません、6BD6を抜いても駄目 6AV6を抜くと雑音は止まります、とりあえず真空管を交換してみました。
雑音は見事止まりました。
6AV6は試験器で確認すると200マイクロモーで劣化が激しいが 音は出ると思ったのですが、雑音まで出て駄目でした。
ここまで準備して調整です。



IFT調整

感度が悪いので455KHzに調整してゆくと段々感度が良くなりました。
ただ 初段の上側のコアでピークが確認できません。
コンデンサーの不良かと思ったのですが、分解してみることにしました。
ナショナルのIFTは配線の外し以上に 薄い鉄板をねじって固定する方法です。
最初の組み立てには非常に合理的なのですが 修理のため 分解するとこの固定部分が破損するのです。
破損すると非常に嫌らしいので やりたくないところですが 感度を良くするためには仕方がありません。


分解したところです。
コンデンサーは120PFと表記されていて 実質123PFでした。
コイルは1014〜1080μH(ケースに入れて コアを出し入れする)でした。
計算上は436〜450KHzの周波数です。
まずは 100PFのコンデンサーを組み込んで 取り付けました。

なお この測定はシールドケースに入れて 測定しないと狂います ご注意ください。
(このIFTはコイルの可変範囲が狭いので、 少し小さめの方が無難です、理由は同調容量には配線や真空管の電極容量が加わる為)




不足分は 外付けで対応します。
最初は12PFを組み込んだのですが 大きすぎました。
よく考えたら IFT単独では455KHzでも回路に組み込むと真空管などの容量が同調容量にパラに入りますので 駄目なのです。
最終的には12PF →8PFにしてピークが確認できました



注意深く取り外したのですが やはり 駄目でした。
片側のみ助かったので 壊れた方はエポキシで固定して組み込みました。





トラッキング調整

なお目盛の周波数 合わせですが 短波の発振コイルにコアがありません。
最初から無いのか途中で無くなったのか不明ですが 短波帯は目盛が完全には合わせられませんでした。
トラッキング調整をして 調整終了です。


その後調査したところ 以前修理したhttp://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/national-EA-685.html
のシャーシを詳細に見ると コアがついていました。
やはり 途中で コアが無くなったようです。




キャビネットの汚れ 水没したのではと疑われる 汚れとラジオ本体の壊れ方でした。
当然 キャビネットは汚れ放題でした。
普通はここまでしませんが あまりの汚さに分解掃除をしました。











修理後のシャーシ内部

トランスは半波用ですから整流管の配線は変えています。
VRはガリオームでしたが 特殊VRなので分解清掃して再利用。





なお ヒューズボックスがオリジナルのトランスには搭載されていましたが、
東栄のトランスは単体ですから リード線で ヒューズボックスを接続し 代用にしました。



下記にも修理体験記があります。
http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/national-EA-685.html

今回の交換部品の一部 

なおボロボロの配線材は殆ど破棄しました、画像のものはその残り。





トランスの表示面

 


2015年12月24日
2015年12月30日
2015年12月31日:204
2016年1月2日:239
2016年1月4日:430 修理後のシャーシ内部の写真を追加。







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中津

真空管ラジオ