シャープ FM−11真空管FM MW2バンドラジオの修理










FMは受信できるが、MWを受信すると 音声が数秒出ただけで無音になると言う不思議な故障です。
ケミコンのリークも調べてみましたが 大きな問題はありません。

分解後 通電してみると 確かに数秒で 音が消えます。

MWのみで働く真空管は12BE6と12AV6の2極管部だけです。
2本とも交換してみると 正常に動作します。

取り外した真空管をTV−10で測定してみましたが 異常はありません。
最初は12BE6の方が怪しいと思ったのですが、何度か真空管を抜き差しするうちに 数秒で音が出なくなる現象は消えました。
さあ 大変です、原因不明で回復したのですから・・。

ところで ペーパーコンデンサーを交換し、IFTの調整中に なんとなく 怪しい雰囲気を感じました。
IFTを触ると なんとなく変です。
軽くたたくとスピーカーから打撃音がするのです。
小型のドライバーの柄の部分で 各部分をたたくとIFT 真空管などあちこちで同じ現象が起きます。
シャーシすら たたくと音が出ます。
いろいろ試行錯誤して 調べた結果 12AV6が犯人でした。
各部をたたき 微妙な音の違いを聞き分けて 最終的に判断します。
見つけるのに2時間くらいかかりました。

どうも真空管内部の電極が振動しているらしい。
手持ちの12AV6(ナショナル製 新品)に交換して 無事解決です。


なお不良真空管はTENでした、ただ 不思議なことに 同じ金型で電極をもった別のメーカーの真空管が手持ちにありました。
神戸工業の製造設備を譲り受けた会社が製造したものかもしれません。
なお この真空管は手抜き真空管(シールドが無い)ではありません、正規のつくりです。
TV−10で試験してもGMは問題ありません。
試験していませんが ノイズテストをするとあるいは判るのかも。







なお 通電表示が無いとなんとなく不便のなので 蛍光ネオン管による通電表示を組み込みました。
lEDを使う方法も考えたのですが、LEDの場合 35C5のカソード電圧を使うことになるので、
通電表示が10秒ほど遅れます。
ネオン管だと 即点灯なので こちらにしました。消費電流は0.3mA程度(30mW)です。








なおこのラジオは不思議なことに 目盛りがずいぶんずれていました。
目盛りをあわせ 調整したところ、高感度で受信できるようになりました。


シャープ  FM−11 回路図




2019年6月7日







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