これは三好さんがラジオ工房の掲示板に書き込まれたもの(2009年11月11日)を転記したものです。 高1でコイルにシールドケースがあるものは昭和15年頃までに設計されたラジオに多いです。 例えば放送局123号の初期タイプ。 17年頃になるとシャーシの上下に分離して、シールドケースを省く物が多くなります。 例えば放送局123号の戦時標準型。 この枠内は管理人の追記です。 |
ホームページを開いておられる或る方の作品の背後に写っていたジャンクらしきセットの高周波コイルがシールドケースに収められている佇まいが気に入り、
無理を言って頂戴しました。
バリコンが擦れていたのを分解手入れと調整をして下さり、おまけにシャーシーの塗装までして送って下さいました。
調べて見ますとメーカーはシャープでD−40型というセットです。
日本ラジオ博物館のホームページに記載されているのを拝見しますと昭和17年製で価格は99円60銭ですが、
既に物資の不足で公定価格が定められており、果たしてその価格で需要家の手に入ったでしょうか。
セットを調べて見ると戦争による物資の不足からかバリコンのフレームはベークが使用されており、
ネジなども鉄で代用されているなど、当時の世相を窺い知ることが出来ます。
パワートランスは既に違うものが載っており真空管のソケットも一個取り替えられていたり、
高周波コイルも改造されているなど、このままでは修復できません。
そこで修復はシャーシーに真空管の番号が刻印されているのが2.5V管なので、その通りすることに決定しました。
幸いトランスは、以前、東栄に依頼してP−35のヒーターを2.5Vにして特注していたのがありましたので、それを使用しました。
コイルはこれも以前、中古ですが購入しておいたものがあったので、それを使用しました。
結果は、非常に好調で感度、特に分離は予想以上です。
バリコンの互いの容量もトリマーを回せる範囲で収まり、下さった方の技術の高さが窺えます。
真空管も手持ちがあり、ここに使っている球は、47Bを除いてホリゾンの八曜会時代のものです。
回路は教科書通りの全く標準です。
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