箱庭のようなラジオ


昔、RCA VICTOR製 B−411型という壊れたセットを入手しました。
キャビネットは破損しバーアンテナもコイルの根元から折れているなど部品取りとしてしか使いようのないセットです。
岡部様の“日本ラジオ博物館”や、内田様の“ラジオ少年の博物館”のホームページにも掲載されており、
岡部様のホームページによると1951年(昭和26年)製とのこと、
この年は我が国で初めて民間放送局が誕生し私も初めて5球スーパーを組んだ年でもありました。
改めて分解したセットを見ると小さいながら立派な楕円形のダイナミックスピーカーや厚手のアルミ製フレームを使ったバリコン、
シールドケースのがっちりとしたIFT、真空管ソケットもモールド製で現在の物と比べて全然遜色のない位、素晴らしいものです。
当時の工業製品の優秀さを物語っているような出来映えです。
改造に当たってはボリュームとバーアンテナは取り替えましたが、他小物部品は以外は使いました。
真空管は既に取り去ってなく国産の普通の球を使いました。
回路図も同好のTさんがRCAのコピーを提供して下さり、それを参考に組み立てました。
シャーシーは手持ちの物を使い全面はパネルにしました。
ダイアルはバーニアダイアルも考えましたがバリコンのシャフトの直径が太いので諦め、代わりにこのセットに付いていたダイアルを転用しました。
私は元々不器用なので写真のようなものとなりましたが完成の結果、IFTは完全に455KHZに合っていました。
IFTは端子でなくリード線が出た方式なのでラグ等を使った結果、シャーシー裏は予想以上に混雑しました。
破損していたバーアンテナはラジオ少年の製品と取り替えましたがトラッキングもうまく取れました。
感度も夜間ともなれば九州や関東の局もバーアンテナのみで受信できます。
非常に見映えのしないセットですが工作の上手な方なればもっとデザインのよいものになったでしょう。






2011年9月19日







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