三好さんの リニューアルした電気蓄音機

昭和30年(1955年)私が20歳の時、組み立てさせて頂いた電気蓄音機がその後、依頼
者も亡くなり、そのお孫さんの時代に改造され、スピーカーとレコードプレヤーは撤
去されていましたが、昨年家族のご好意で私の元へ帰って参りました。調べて見ると
EPやLPを聴くため小さいアンプ付きのレコードプレヤーが取り付けられスピー
カーの取り付け場所には小さいキャビネットに入ったスピーカーが2個入れられてい
ました。
幸いに機構部分は5Y3が80に取り替えられていたのとアウトプットトランスが片方断
線している他、故障もなく通電するとシングルで音が出ておりました。
そこで一応全部分解し再度組み直しました。切れていたアウトプットはバンド型です
がオリエントコアーを使った物に取り替え、スピーカーはフォステクスの20センチを
いれました。高周波部分は依頼者の希望で2バンドとなっておりましたが今回は中波
だけの高周波一段のコイルと3連バリコンがありましたので2バンドは止めて中波の
みとしました。低周波部は一点アースとし高周波部は一般的なアースとしましたので
ハムは殆ど聞かれませんでした。また、調整の際、中間周波トランスも殆ど狂いはな
く、結果はセットの上部にあるカーテンレールの端まで約1メートル半位のビニール
線を繋いだのみですが夜の7時直前にアナウンスされるJOAK(NHK)のコールサ
インと放送が聞き取れます。完成は最初組み立てた時の10月に間に合わせたかったの
ですが暑さで遅れ11月末に完成しました。57ぶりのリニューアルでした。セットには
SPレコードも附いて来ましたので78回転の物は通信販売の物を購入しましたが、こ
れを取り付けるのが今後の課題となっております。


使用した真空管は、6SK7、6SA7、6SK7、6H6、6SJ7、6SN7、6F6(PPで三結)5V4、6E5、で位相反転はPK分割です。











オリジナルのもの



電蓄の大きさは、高さ95糎、幅67糎、奥行き39糎です。


大きさが解るように周りも撮影

この時代の電蓄は想像以上に大きいです。




参考資料 昭和29年の東海電機(秋葉原)の卸商報

当時は電蓄は自作品が多く、このようなキャビネットが売られていました。






2013年3月12日




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