6A7の発振コイル 作成参考資料

6A7を使った5球スーパーのコイルの作り方。
6A7(2A7)は戦前の5球スーパーでは普通ですが、戦後はすぐ6WC5が出ましたので、使用例の記事は意外と少ないです。
コイルも当然入手できません、6A7用の発振コイルの製作データーを集めてみました。

最大 430PFの2連バリコンを使ったIF455Kcのスーパーのコイル。
細かな設計原理は新ラジオ技術教科書(応用編)を見ていただくとして、ここで計算された数値を応用してみると
アンテナコイル       210μH
発振コイル         110μH
となります。
発振コイルは6WC5の場合、アース側から10%のところにタップをつければ終わりですが、6A7の場合、工夫が必要です。
6A7(2A7)を使ったスーパーの回路図例は下記のとおりです。


ここでL3 L4が発振コイルです。
但し、戦前のラジオは中間周波数は455Kcではありませんので、このままでは応用できません。

455Kc用 110μHの発振コイルをどう作るかになります。

コイルを巻く時何回巻けば希望のインダクタンスのものが出来るかは下記の図を使ってください。
@まずボビンの外形寸法と必要インダクタンスを直線で結び、この直線を照合線まで延長します。
A使用するウレタン線の寸法から類推して、NとKの線を直線で結び、照合線で@の直線と交わるようにします。
こうして求めた数字が巻数になります。

手巻きでコイルを作る時 どうしてもプロが巻くようには出来ません。
多少巻き幅が広くなります。
どうせ最後はカットアンドトライで仕上げる必要があり、細かなことに気を使う必要はありません。

数値が不明だと計算し難いのですが、
@ボビンと巻き幅はほぼ同じくらい(K=1)とまず仮定する。
A必要な「インダクタンスの値」と「ボビンの直径の数値」を結ぶ、これを照合線まで延長。
BK=1の線と照合線(先の延長上の)の点を結ぶ。
Cこの延長線上のNが巻数です。
D使う線の太さは巻数から逆算できます。
E理屈は上記ですが、線の太さが決まれば、逆算も出来ますので、工夫してください。

L3は上記のようにして、巻けば作れます。
L4の巻数は不明ですが、3分の1ないし2分の1程度との記載が多いようです。
(上記回路図では65:55)
実際巻いた事が無いので何とも言えませんが、おそらく3分の1で大丈夫と思います。
この2つのコイルの間隔は1ないし2mm程度。
中には5mmと言う記載もあります、これは実験で確かめるしかありません。。

実際28mmφの紙筒に0.15mmのウレタン線を40回巻いてみました。
幅約7mmです。
Qメーターで実測したら、68μHでした。
計算値と比較的近い値でした。
インダクタンスは巻数のほぼ二乗で増加します、110μHの場合、51回程度巻けば実現できるでしょう。
Qも100程度あります。




もう一つの例

6A7を使った周波数変換回路のコイル作成




同調(発振コイルの同調側の意味)に対し、
発振陽極側を何回巻くかの図表。
科学研究社のスーパーヘテロダインン(榎並さん著)より。

同調線輪は6WC5と同じでよい。
発振陽極線輪の方の巻数をグラフで求める。

トラッキングを取るためのコイルの容量、さらに巻数はラジオ技術教科書応用編に説明されている。
大雑把に言って、最大430PFのバリコンと組み合わせる場合 
アンテナ側同調コイル  210μH
OSC側同調コイル    110μH

463でも455でも大勢に変化なし。






2003年2月24日
2003年2月25日
2003年2月26日
2004年7月30日移転

2006年6月22日






<
2015年2月7日よりカウント

radiokobo-all