岩渕さんの4球スーパーラジオ





何時もお世話になっている隣街(会津若松市)のパーツ屋さんで昔の真空管ラジオ用
シャーシが置いて在ったので之でスーパー式ラジオを作ろうと思い購入してきました
 今回初めてキットで無い真空管ラジオを作るため回路の選定と部品集めを並行して
行いました。殆んどの主要部品は今まで作ってきた「ラジオ少年」のキットで使用し
なかった物です。只、IFTだけは手持ちが無く新品の部品は高価で手が出なかった
ので以前「ラジオ工房」で拝見したTrラジオ用IFTを使用することにしました。
又IFTの初段には前に購入しておいた簡易メカフィルを使うことにしました。
 ある程度回路と部品が集まったところで何時もの通りシャーシー内の部品配置図を
書きながら回路を決めていきました。当初、低周波増幅段に6AW8等の複合管を
使用したいと思いましたが部品配置が決まらなくて6AQ5を使うことにしました。
その為、回路的には標準的な5球スーパーの回路で6BE6−6BD6−6AV6−
6AQ5になりました。電源整流にダイオードを使用したため5球ではなく4球スー
パーになります。
 回路と部品配置が決まった所でシャーシーの加工を行いました。今回のシャーシーは
ブリキ製のぺらぺらなシャーシーでしたので補強のため何時も取り付けているサイド
木片を取り付け今回は透明パネルが手に入らなかったので白いパネルにしました。また
シャーシーも数十年前の物で錆が酷かった為、錆落しをしてグレーの塗装をしました
 
主要部品の取り付けが終わったところで私の場合アース配線やヒーター配線などの配線
作業をまず行います、配線も組み立て後にぷらぷらしない様、数箇所ボンド止めやワイ
ヤーステッカー止めをします。今回はボンド止めだけ行いました。
 配線が終わりましたらCR部品をフォーミングしながら取り付けて行きます。最後に
アンテナコイルの配線をして終了です。今回アンテナコイルにソレノイドコイルでは
無くバーアンテナを使用しました。之はバーアンテナですとコイルの容量調整が可能な
為とバーアンテナの受信能力を確かめたかったため使用してみました(価格も安い為で
すが)
すべての配線と取り付けが終わりましたら配線等の再確認をして真空管を取り付けずに
電源を入れて電圧測定をします。異常が無ければ電源を切り真空管を挿して再度電源を
入れ電圧測定をします。この時、B電圧が想定値よりも高かったので平滑回路初段の
抵抗を330Ωから680Ωに変更しました(6AQ5の最高電圧250Vを超えてし
まっていました)
 電圧測定が終わりましたらIFT、受信周波数調整、トラッキング調整を行いますが
この辺りは内尾様の「ラジオ工房」内に掲載されていますのでご覧になってみてください
今回、昔のラジオシャーシーを手に入れて数十年ぶりに真空管スーパーラジオを作る事
ができました。昔、作ったときは、ろくな測定器が無かったのでまともな調整ができま
せんでしたが今回は自作のDIPメーターや周波数カウンター、電子式アナログテスター
を使用して調整ができましたので大変満足のいく感度で仕上げることができました。また
バーアンテナの威力も抜群で夜間になりますと全国の放送が受信できます。それと簡易
メカフィルの威力もよく、サイドの切れもかなりよい感じです。その為か電源投入初期の
受信周波数変動も気になります(電源投入後15分くらいは合わせた局が変動で聞こえ
なくなってしまいます。スピーカーからの音もハム音など殆んど無く高域がカットされて
いる為か落ち着いた感じで受信できています。ホームラジオとして長く使用していきたい
と思います。




2012年5月15日







今回の製作にあたり内尾様、初め「ラジオ工房掲示板」に投稿されて居られる皆様には
アドバイスをいただき大変お世話になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます

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